人気のビジネス書から学ぶ「伝える力」の大切さ ~ビジネス書大賞2014をふりかえる〜

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こんにちは、広報のナカガワです。

先週、六本木アカデミーヒルズで行われた「ビジネス書大賞2014」の表彰式典およびトークセッションに参加してきました。

そこで今回はイベントをふりかえりつつ、ここで得た学びをみなさんと共有したいと思います。

優れたビジネス書は「伝える」ことがうまい

今回大賞に選ばれたのは『統計学が最強の学問である』(大賞・経済書部門)、『経営戦略全史』(大賞・経営書部門)、『伝え方が9割』(書店賞)の3冊。

加えて『嫌われる勇気』などの執筆・構成を讃え審査員特別賞が古賀史健氏に贈られました。

トークイベントを通して感じたことは、
いずれの作品も「伝えること」に長けていたということ。

「伝え方」をテーマに絞った『伝え方が9割』はもちろんのこと、
「統計学」や「経営戦略」という“小難しそう”なテーマを、編集者と著者がタッグを組んで誰に届けたいのか、彼らにどうしたら届くのかを考え、うまく「伝えた」ことが、それぞれが大賞受賞の大きな理由といえます。

うまく「伝える」上でカギとなるのが、読者が最初に接触する“タイトル”。

古賀史健氏・柿内芳文氏・柳瀬博一氏による一つ目のトークセッションでは、
『嫌われる勇気』のタイトルは『普通であることの勇気』になるかもしれなかった、などのエピソードも披露されました。

ここでは『嫌われる勇気』や『ゼロ』の編集にも携わり、『さおだけ屋はなぜつぶれないのか』などエッジの立ったタイトルに定評のある編集者・柿内氏の
「タイトルは死ぬ気で考える」「一度これにすると決めたら、これが一番いいと信じる」という言葉が印象的でした。

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「学校教育の中に「伝え方」の授業を導入させたい」

『伝え方が9割』の著者・佐々木圭一氏はトークセッションの中で、伝え方を変えたことで3歳の子供が手をつないで道を渡ってくれるようになったお母さんの話などを紹介しつつ、

「アメリカでは小さい頃から伝えることを学び、トレーニングされてから社会に出るが、日本では伝えることを学ぶ機会は少なく、社会に出ていきなり伝えることを要求される。この能力を上げることで日本はもっと元気になれる

そう熱く語っていました。

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「アメリカ人はプレゼンテーションが上手だけど、日本人とはDNAが違うから仕方ない」と思われているが、実はそれは違うと話した佐々木氏。

2年間の渡米経験を持つ彼によると、州によりますが、アメリカでは概ね小学3年生頃から学校の授業に「伝え方」の授業があるそうです。

さらに中学校に入ると、国語に加え「スピーチ」「ディベート」「ジャーナリズム」の授業があり、そこでたとえば、「制服は必要かどうか」といったことについて自分たちの頭で考え、議論するのだとか。

それはなぜか?

アメリカでは一つのクラスにいろいろな国から来た人たちがいるので、放っておくと決定的な喧嘩になってしまう。だからコミュニケーションの基礎を学校教育で学ばせるようにしているというのです。


佐々木氏は「伝え方はひらめきやセンスではなく技術だ」という考えのもと、日本人はせっかく学ぶ能力も高いのだから、あとはどう伝えられるかを学べさえすれば元気になれるとし、日本人のコミュニケーションのベースアップのために、学校教育の中に「伝え方」の授業を導入させたい、と夢を語っていました。

真に学びを提供したいから“ROCK”な経営書を作った

深い知識や技術、優れた考え方、珍しい経験。
ビジネス書はこうした目に見えない優れたものを言葉にしたもの。

今回のイベントを通して、この目に見えないものをうまく編集し、言葉で伝えた作品こそが、優れたビジネス書なのだと感じました。image

『経営戦略全史』の著者である三谷宏治氏は、
「どんなジャンルの本だって、楽しくなければ読み進められないし、読み進められなければ当然学びもない。だから真に学びを提供したければ、それはおもしろくなければいけないんです」という言葉を寄せ、そのために“ROCK”な経営書を作ったといいます。

このように、深い知識がうまく伝われば、社会全体の知識が向上することは間違いありません。

これからも優れたビジネス書が刊行されることを楽しみにしつつ、「知識を得たらいかに伝えるか」。これを自分の中でのテーマにしていきたいと思いました。

「ビジネス書大賞2014」受賞作品を聴いてみる

この記事のライター
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ナカガワ
オトバンクの広報を担当しています。
カレーをはじめ、食べ物の話になると元気になります。
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