「ビジネス書」だけが「ビジネスパーソンの本」じゃない!ビジネス書大賞、新しい幕開け

 

7月4日、六本木アカデミーヒルズさんでビジネス書大賞の授賞式が行われました!

▶ビジネス書大賞2016 授賞式および記念トークセッション「ここからはじまる、ビジネス書の新しい歴史」

 

実は、FeBeを運営するオトバンクの会長・上田渉も実行委員会を務めているということで、FeBeスタッフも今回のビジネス書大賞にお邪魔してまいりました~!

「ビジネス書」だけが「ビジネスパーソンの本」ではない

今年のビジネス書大賞は、「従来の『ビジネス書』ジャンルではない作品も受賞している」というお話が出ました。

 

f:id:hsaeki0915:20160714200147j:plain

 

いわゆる「ビジネス書」ではない作品も受賞しているが、「ビジネスパーソンに必須の作品」「ビジネスパーソンに役立つ本」というコンセプトで選ばれたとのこと。

 

たしかに、世間一般で言う「ビジネス書」だけがビジネスパーソンに役立つ本とは限りませんよね。

 

そんな新たな視点で選ばれた今年の「ビジネス書大賞」。

果たしてどんな作品が受賞したのでしょうか・・・?

 

 

審査員特別賞

『人工知能は人間を超えるか ディープラーニングの先にあるもの』

(松尾 豊著/KADOKAWA)

 

f:id:hsaeki0915:20160714200216j:plain

 

内容紹介:グーグルやフェイスブックが開発にしのぎを削る人工知能。日本トップクラスの研究者の一人である著者が、最新技術「ディープラーニング」とこれまでの知的格闘を解きほぐし、知能とは何か、人間とは何かを問い直す。

www.chukei.co.jp

 

今回の授賞式では「人工知能」の中でも特に進化している「ディープラーニング」について、受賞者である松尾豊氏が登壇してお話をされました。

 

2016年3月、囲碁AI「アルファ碁」が「世界最強の一人」といわれる棋士に勝利したことが大きな話題となりました。実は、囲碁AIは将棋よりも10年遅れているというのが通説だったそうなのですが、まさかのこと、勝利してしまいました。これも、ディープラーニングの進化によるものです。ディープラーニングは、本当にこの数年で進んでいて、これまで出来なかったことがどんどん出来るように進化しています。

 

ディープラーニングの進化によって、できるようになるだろうことは沢山あります。

 

自然物を相手にしている、農業や食品加工、建設関係など環境変動的なものについては、従来ロボットが弱い分野のため人が行うしかありませんでした。しかし、ものづくりやそういった環境変動的なものにもディープラーニングを掛け合わせていくことでこれから日本にチャンスが巡ってくるかもしれません。

日本産業を伸ばしていくために、ビジネスパーソンにとって「人工知能」は今後欠かせない知識分野の一つに違いなさそうです。

 

準大賞

『「学力」の経済学』

(中室 牧子著/ディスカヴァー・トゥエンティワン)

 

f:id:hsaeki0915:20160714200213j:plain

 

内容紹介:「データ」に基づき教育を経済学的な手法で分析する教育経済学は、「成功する教育・子育て」についてさまざまな貴重な知見を積み上げてきた。そしてその知見は、「教育評論家」や「子育てに成功した親」が個人の経験から述べる主観的な意見よりも、よっぽど価値がある―むしろ、「知っておかないともったいないこと」ですらあるだろう。本書は、「ゲームが子どもに与える影響」から「少人数学級の効果」まで、今まで「思い込み」で語られてきた教育の効果を、科学的根拠から解き明かした画期的な一冊である。

www.d21.co.jp

オーディオブックもあります! 

 

ダイエットの方法や健康術など、様々な情報に溢れている現代。ですが、その情報は本当に「エビデンス」があるものですか?

 

著者の中室さんは、長年渡米されていて日本に久しぶりに帰国した際に根拠がない情報が溢れている状況に驚いたそう。そこで、「「学力」の経済学」では教育分野においてきちんとした根拠を用いた研究結果や情報が沢山掲載されています。

 

こちらの作品は、いろいろなメディアでも特集を組まれ(「東洋経済」での特集も組まれたそうです:「週刊東洋経済 2015年 10/24号 」)大変な注目を集めています。

 

「根拠」がある情報を知りたいと思いつつ、ついつい目先の情報に踊らされてしまいがちになる現代。今後、本作のように専門家の知識を"翻訳"してくれる作品に、より需要が高まっていくかもしれません。

 

大賞

『HARD THINGS』

(ベン・ホロウィッツ (著), 小澤隆生 (序文), 滑川海彦、高橋信夫 (翻訳)/日経BP社)

 

f:id:hsaeki0915:20160714200211j:plain

 

内容紹介:「偉大な会社をつくり、育て、運営したいすべての人に、信じられないほど価値ある本」マーク・ザッカーバーグ(フェイスブックCEO)、「本書は、意志の力だけで会社を破滅の淵から救えるという証言」ラリー・ペイジ(グーグルCEO)が絶賛!目指すものが大きいほど、困難(HARD THINGS)も大きいシリコンバレーのスター経営者に慕われる最強投資家からのアドバイス

ec.nikkeibp.co.jp

 

なんと、授賞式では大賞を受賞した『HARD THINGS』、著者のベン・ホロウィッツさんご本人から届いたメッセージ動画が公開されました。

 

若くしてマネジメント、CEOとして奮闘した著者が、当時いろいろなことを勉強できる本がなかったので、自ら書いたという本書。本作が受賞したことが、日本の起業推進の後押しになれば、という喜びのコメントを寄せてくださっていました。

 

その後、作品に序文を寄せたヤフー株式会社執行役員の小澤隆生さんと、本作を担当されていた日経BP社編集者の中川ヒロミさんが登壇した受賞記念トークセッションが行われました。

 

f:id:hsaeki0915:20160714200205j:plain

 

小澤さんの本作品についての紹介で述べられた、「この手の本としては確実に異例」という言葉。

 

通常このようなタイプの本だと「成功者」が「成功例」を語り終始するものがほとんどです。ですが、この作品はそうではなく、「あらゆる失敗」と「それをどう乗り越えたか」が沢山書かれた大変珍しい作品とのことでした。

 

レシピ本にたとえられていましたが、「おいしく作るレシピ本」はいくらでもあるけど「煮すぎてしまったらどうするか」が書かれているのかがこの『HARD THINGS』。

 

美味しい部分だけ書かれているのではなく、失敗してしまった時の対処法がきちんと描かれているのは確かに稀な作品かもしれません。

  

「失敗」はなるべくしたくないですし、経験したくないもの。ですが、必ず経験するときが訪れるのでその時に心折れず乗り切れるように事前に「HARD THING」とその対処法を知ることが出来る本作は、新しいことに挑戦しようとしているビジネスパーソンの方々にぴったりです。

 
新しい「ビジネス書大賞」の幕開け

冒頭の理由でいつもとは、少し「異例」とも言われた2016年のビジネス書大賞。

 

「ビジネスパーソンに読んでほしい本」として選ばれた作品たちを、是非この機会に手にとってみてくださいね。

 

f:id:hsaeki0915:20160714200219j:plain

 

運営 株式会社オトバンク

電話番号 03-5805-2915

住所  〒113-0033 東京都文京区本郷3-4-6 御茶ノ水エビヌマビル8階

担当者 佐伯