photo by amanda tipton
むかし聴いていた音楽を耳にした途端、当時の想い出が蘇ってきた・・・そんな経験をしたことはありませんか?
その曲は、あなたの「パーソナルソング」かもしれません。
音楽の不思議な力を使った認知症治療に関するドキュメンタリー映画、『パーソナル・ソング』が12月に公開されます。
あらすじ
ソーシャルワーカーのダン・コーエン氏は、認知症患者に彼らの好きな音楽を聞かせることを思いつきます。
それは、奇跡を起こしました。
自分の名前もわからないほど重度の認知症であった男性に、
彼の好きだった音楽を聞かせた途端、その曲を歌いだしたのです。
さらに曲を聴き終えた後も、今までとはまったく違う生き生きとした表情で昔のことを語りはじめました。
ほかにも、昔のことをほとんど思い出せないという女性に曲を聞かせた途端、若かった当時の記憶をうれしそうに語りだしたのです。
曲を聴く前にはどこかぼんやりとしていた表情が、曲を流したとたんに生き生きとし始める姿をみると、音楽の力を信じずにはいられません。
世界に広がる「ミュージック & メモリー」療法
photo by Sascha Kohlmann
認知症患者の数は、アメリカでは500万人、日本では400万人にのぼるそうです。
にもかかわらず、未だ完全な治療法は見つけられていないのが現状。
そんな中、音楽を使って記憶を呼び起こす彼の療法は、「ミュージック&メモリー」と名付けられ、多くの人に希望を与えています。
映画完成前にショートムービーをインターネット上に公開したところ、1週間で700万回もの再生を記録。
この感動は、全米に留まらず世界へと広まっています。
他にも、過去にはアメリカ国会議員ギャビー・ギフォーズ氏が、音楽療法によって失語症を乗り越えたというケースもありました。
音楽療法は、これからさらに広まっていきそうです。
好きな「本」でも記憶がよみがえる
photo by Chris Goldberg
また、認知症については、次のようなことも言われています。
認知症の人は、その生涯において、特別な趣味や関心を持っていた可能性がある。図書や音楽が利用者にこのような趣味を思い出させ、子供時代や青年時代、職業生活や家族の記憶をよみがえらせる場合がある。(認知症の人のための図書館サービスガイドラインより)
そして、認知症の方々は、絵本を読んだり、「朗読」を聴くのを楽しむことが多いんだそうです。
FeBeでは1万冊以上の本がオーディオブックになっているので、ご本人が好んでいた本を聴いてもらうというのも、良いかもしれません。
あなたにとって大切な人の、想い出の曲や、想い出の本・・・知っていますか?
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