仕事が忙しくてずっと睡眠不足が続いている、ストレス解消のドカ食いや、飲み会後の締めラーメンが止められないなど、体に悪いと思いながらも改善できないでいることは多いと思います。
「でもまだ若いし、どこも悪くなってないから大丈夫だろう!」と思って油断している方は注意が必要かもしれません。
『健康は「内臓さん」で決まる』の著者・伊藤裕さんは、「今が健康でも一気に不健康な状態になってしまう可能性はどんな人にもある」と言います。一気にと聞くとドキッとしてしまうかもしれませんが、これは「臓器の時間」という医学の世界でも新しい概念で説明することができます。
人間に寿命があるのと同じで、それぞれの臓器にも寿命があります。不規則な生活が続いたりして通常よりも早く臓器の寿命がやってくると、やがて「病気」となって現れてきます。この時間の流れを医学では「臓器の時間」と言うのだそうです。ひとつの臓器に「時間」がきて病気になると、他の臓器や体全体への負担が増してきて様々な「臓器の時間」はどんどん短くなっていきます。すると病気を併発するなどして、「一気に不健康になっていく」という状況が起こりうるのだと言います。
では、この「臓器の時間」の進行を止めることはできるのでしょうか。著者の伊藤さんは、「臓器の時間は、生活習慣によって早くも遅くもなる」と言いいます。即ち、内臓ストレスを抑えることで「臓器の時間」の流れをゆっくりにすることができ健康状態を保つことができるのだそうです。
本書の「内臓タイムマネジメント10か条」から、今夜からでも実践できるノウハウをいくつかご紹介しましょう。
1.ゆっくり食べる
早食いの人は太りやすいという俗説を聞いたことがある方は多いと思いますが、これは医学的にはかなり正しいことなのだそうです。よく噛むことで満腹中枢が刺激されて少ない量でも満足感を得られます。
ちなみに著者によると、単純によく噛まずに大量に食事を摂取すること自体が悪いわけではないのだそうです。最近の肥満研究では、肥満の根本原因を単なるカロリーの摂りすぎではなく、脳の「認知機構」の障害として捉えるようになってきているのだそうです。つまり「食べること」を一種のストレス発散の方法と捉える向きのある人です。「今日はストレス発散のために思い切ってステーキ○グラムに挑戦だ!」など、食事自体をゲームのようにストレス解消にしている人は特に注意が必要かもしれません。
2.夜のコンビニは利用しない
24時間いつも明るく、夜食などを買うのにも便利なコンビニですが、夜間の利用は注意が必要だと言います。人間の生体時計は太陽光を基本に作られているため、夜暗くなると眠くなってきて体をクールダウンするように設計されています。このクールダウンは、日々の生活でストレスを受けている臓器がオーバーヒートを起こさないように行われる重要な行為なのですが、食事を摂ってしまうと時間がリセットされてしまうのです。
臓器へのストレスを少なくするには、とにかく光のあるうちに食事を摂り、夜には臓器をクールダウンさせることが大切なのだそうです。目安として少なくとも就寝2~3時間前までに食べ終わっているのがよいそうです。
3.小腹対策をしない
健康には腹八分目と言いますが、食事を普通に食べている量の70~80%に減らすと、腺虫と呼ばれる下等な生物からサルに至るまで、すべての生き物の寿命が延びることが証明されていると伊藤さんは言います。
普通に食べている量というのは、即ち自分の適性カロリーのことで次の式を参考に導くことができます。
適正カロリー = 標準体重(kg) × 25kcal
標準体重 = 身長(m) × 身長(m) × 22
※1日当たり
空腹時に胃から分泌される「グレリン」というホルモンは、体を元気にしてくれる作用もあるので、空腹の時間をきちんと持つこと自体が臓器の負担を軽くして健康の維持につながるのです。
空腹を感じたときにはお菓子などをつまんでしまわず、「今は体がリフレッシュしている時」と考えて我慢してみてはいかがでしょうか。
いかがでしたか? これからの忘年会シーズンで体を酷使せざるを得ない方も、『健康は「内臓さん」で決まる』を読んで、少しでも健康に気を配ってみてはいかがでしょうか?
こちらの本はオーディオブック版がありますので、ぜひ聴いてみて下さい。
夜中のコンビニで買うものの定番は主食が塩むすび×3個