photo by Ian Collins
あけましておめでとうございます。公認会計士のノムリンです。
前回の記事は「音」に着目してどういったネーミングが効果的なのかを考えていきました。
それでは今回は、会社の名前の候補がいくつか決まった場合、どうやって絞り込みを掛けていったらよいのかについて書いていきたいと思います。
ブーバ・キキ効果とは?
結論から言えば、これから付けようとしている商品や会社の名前が商品の特徴やイメージと、経営者の経営理念と整合しているか が非常に重要です。
この名称とイメージについては、一つ興味深い実験の話があります。
下の画像を見てみてください。
左の図と、右の図、それぞれに「ブーバ」と「キキ」という名前をつけるとしたら、どちらが「ブーバ」でどちらが「キキ」と名付けますか?
by wikipedia
・・・おそらく、ほとんどの人が左の図形を「キキ」と名付けて、右の図形を「ブーバ」と名付けたのではないでしょうか。
これは、ブーバ/キキ効果(Bouba/kiki effect)といわれるものです。
実際に実験の結果、年齢や出身にかかわらず95%から98%の人が左を「キキ」と名付け、右を「ブーバ」と名付けたとされています。
この実験からもわかるように、音の響きには言葉が持つ視覚的なイメージを表す力ももっているんです。
もし、ロゴの作成も検討中であるなら一緒にロゴのデザインも決めてしまうと一体性を保持することができるので効果的であると思います。
ブーバ/キキ効果は、視覚と聴覚の共感覚の一つであるとか、難しく説明されることもありますが科学的には、まだよくわかっていない分野の話であるようです。
ただ、実際の商品名で見てみるとこのブーバ/キキ効果が顕著にあらわれているようです。
商品名とイメージは密接な関係があった
photo by Hans Kristian Aas
例えば、薬の商品名を何個か思い出してみてください。「ン」で終わるものが多いことに気が付くと思います。
化学式が「ン」で終わるものが多いのでそれに由来するともいえますが、漢字あっても「~丸(がん)」や「~散(さん)」、「~丹(たん)」といった商品名があったりします。
「ン」というのは薬をごくんと飲むときの口の形に近いので薬のイメージと一致しているともいえますし、「ン」で終わると音の響きから効きそうだというイメージをあたえることができるからだともいえます。
もっといえば、日本人は、このブーバ/キキ効果を無意識に利用していると思います。例えば、日本語で「竜」という架空の怪物をいろんな形式で表記することが可能です。
例えばひらがなで書いた「どらごん」とカタカナで書いた「ドラゴン」と漢字で書いた「怒羅嚴」とアルファベットで書いた「Dragon」という文字を見てそれぞれの竜をイメージしてみてください。
おそらく、それぞれの表記でイメージする竜は異なってくるのではないでしょうか?
私の場合、ひらがなだと柔らかいイメージの子供の竜が、カタカナだと無機質で冷酷なイメージの竜が、漢字だと、いかつくごつごつした覇気のあるイメージの竜が、アルファベットだと、西洋の竜をイメージしました。
また、普段、文章を書くときでも擬音語や擬態語を情景に応じて、ひらがなやカタカナを使い分けることでイメージを表現することもありますよね。
ネーミングを決める時には「音のイメージ」も大切に!
photo by Kevin Dooley
このように、商品や会社の名前が商品の特徴やイメージと、経営者の経営理念と整合させるため、
名前とイメージが合っているか周りの人に確かめて決めることで、名前を聞いた時のしっくり感が生まれることになり、とてもよいネーミングができるのではないでしょうか。
ただし、ネーミングだけに頼るのは安易すぎますので、『100円のコーラを1000円で売る方法』などでマーケティングを勉強した上で、ネーミング力も身につけたらより効果的なものになりそうですね。